向山型算数
算数の指導にあたっては、次のような実践的な問題があった。
1 できない子をどのように指導するのか
2 はやく計算ができてしまった子をどうするのか
3 練習スキルをどのようにするのか
4 授業のはじめをどうするのか
5 ノートチェックをどうするのか
6 これらをすべて満足させる算数の授業とは、どのようなものなのか
このような問題を解決するために、向山はまったく新しい算数の授業システムを創り出した。それが、向山型算数である。向山型算数には、以下のような特徴がある。
1 教科書を使って、教科書通りに教える
2 リズムよくテンポよく教える
3 1時間に1回以上、ノートチェックを行う
4 授業の終わりに『あかねこ計算スキル』を使う
「向山型算数」の広がりとともに、全国の教室で「平均点90点以上になった」「算数のできない子ができるようになった」という事実が次々と誕生した。
「水道方式」や「問題解決学習」などの従来の算数指導法は、理論から生まれた。教師の多くが「理論が正しければ、いい方法だ」と考え、教室へ持ち込んだ。その結果、授業進度は遅れ、「できない子」はできないままとなり、たくさんの算数嫌いを生み出した。「理論」と「実践」との間には、大きな隔たりがあったからである。