BOOK01新卒から十年間にわたる教師修業の記録
―子どもたちはその日を待っていた。ぼくが、〈一時間で全員跳び箱を跳ばせられる〉という斎藤喜博の境地を追って、プロ教師の域に達するその日を―
不登校や情緒障害の子どもへの対応、教師と修業、教師と仕事、保護者との交信、教師と仲間など、プロ教師を目指した向山の教師修業の日々。「向山の実践・理論」の原型は、すべてこの本の中に記されている。
本書のもととなるデビュー作『斎藤喜博を追ってー向山教室の授業実践記』は1979年に昌平社より出版。1986年に、明治図書より『教師修業十年ープロ教師への道』として改訂版が出版された。
それ以来、出版社を変えつつも40年以上にわたって多くの教師に読み継がれている。
BOOK02 「どうすれば授業の腕が上がるのか」を示した、超ロングセラー
「どうやったら教師の腕が上がるのか」
「何をどのように努力していけばいいのか」
本書には、趣意説明の原則、一時一事の原則、簡明の原則などの「授業の原則十ヵ条」をはじめ、教師の技量とは何か、定石を学ぶ必要性、新しい教育文化の創造など、授業の腕を上げるための原理・原則が記されている。
授業の腕を上げたい教師だけでなく、多くの大学、教育委員会、企業などでも「授業とはどのようにするのか」「どのように教えれば伝わるか」を学ぶテキストとして採用されてきた。
1985年に明治図書から出版された旧版『授業の腕をあげる法則』は、教育書としては異例の100版を超えた。すべての「教え方のプロ」を目指す方に手に取ってほしい一冊である。
BOOK03子どもを動かすには、原理・原則(法則)が存在する
「1つの法則と5つの補足」「3つの原則と9つの技能」をはじめ、「より良い教育」「より価値のある教育」を実現するための法則が紹介されている。
「子どもが悪い。しつけができていない」と、教師はしばしば子どもや親の責任にする。しかし、「子どもの責任、地域の責任、家庭の責任」にする教師は、いつまでも技量が伸びない。原則どおりにすれば、子どもは生き生きと動き出すのである。
「教師の技量」「プロ教師の技量」について、真摯に学びたい方にオススメの一冊。
旧版『子供を動かす法則』は、1987年に明治図書から出版された。
BOOK04退屈な国語授業が、知的で熱中する授業に変わる
「国語の授業は、どのように教えればよいか」
その答えが、この本にある。
向山は「あたり前の言葉をあたり前の言葉で置き換える国語授業」を否定し、「知的好奇心を満足させる国語授業」を目指した。
本書には、「みゃ・みゅ・みょ」の授業や『ふるさとの木の葉の駅』の授業、「かける」の授業、『スイッチョ』の飛び込み授業、詩文暗唱、レトリック、パロディ作文など、誰でも「追試」のできる楽しい実践例が紹介されている。
また、「集団思考を促す国語科の発問づくり」「文学の授業は感動重視でよいか」などの章は、「向山型国語」の入門書としても最適である。
旧版『国語の授業が楽しくなる』は、1986年に明治図書から出版された。
BOOK05最高のクラスをつくるために、新年度の最初の三日間に何をするか
新年度の最初の三日間にクラスの仕組みとルールをつくれば、その後はうまくいく。この最初の三日間だけは、やんちゃな子どもも素直に先生の指示に従うからである。向山はこの三日間を「黄金の三日間」と名付けた。
次々と起こる事件、授業中のおしゃべり、宿題忘れ、けんか、けが、毎日のように生じるトラブル。これらの責任は教師にある。貴重な最初の三日間を何もせずに過ごしたからである。
「学級づくりのステップ」「4月の初めに何をするか」「組織化のイメージ」「学級内の三つの仕事分担」など、学級を組織する法則も掲載。
旧版の『向山洋一全集4・最初の三日で学級を組織する』は、1999年に明治図書より出版された
BOOK06子どもを伸ばすにはコツがある!「究極の指導方法」を大公開
算数が苦手な子、できない子には共通する点がある。
例えば、「ノートのとり方が下手である」ということだ。教科書を使って「ノートを丁寧に書く」ことは成績アップの近道。「ミニ定規」はその必須アイテムだ。多くの有名附属中学校では、50年以上も前から数式や図形をノートに書かせるとき「ミニ定規」を使わせているのである。
国語は「マンガでも何でも、とにかく好きな本をたくさん読む」、理科は「親子で一緒に実験をやる」。このような子どもを伸ばすための「学習のコツ」を、本書では数多く紹介している。
向山が監修した「『勉強のコツ』シリーズ」(PHP研究所)は、累計300万冊を超える大ベストセラーとなった。
BOOK07「早期に発見するシステム」と「解決するシステム」の2つをつくれ!
「いじめ」をなくすのは、教師の大切な仕事である。
医師が「病気発見システム」「治療システム」を必要とするのと同じように、「いじめ対応のシステム」には「いじめを早期に発見するシステム」と発見後の「いじめを解決するシステム」の2つが必要である。
いじめへの方針は、学校の教育計画に明記されていなければならない。その方針に基づいて、いじめの事実を発見した場合には、すべて学校の問題として取り扱うこと、24時間以内に、校長、担任を含む関係者で会議を開催し、その場で具体的な事実に基づく解決方針を決定し、直ちに実施することが必要である。
本書では、「いじめに対応する方法」と、「いじめを克服した実践例」などがいくつも紹介されている。
BOOK08向山の珠玉の授業映像を53名の実践家が解説
3年国語『春』(安西冬衛)、3年理科「じしゃく」、5年社会「サイクル図」など、日本の教育界に衝撃を与えた向山の授業映像を53名のTOSS実践家が徹底的に究明する。
第1巻「教育技術論の原点『跳び箱は誰でも跳ばせられる』」では、「向山式跳び箱指導」の映像のほか、法則化運動をともに駆け抜けた編集者、研究者、実践家へもインタビュー。また、第2巻「教室が熱中する討論の授業」では、課題の提示、指名なし発表、論点整理など、向山型討論に至るまでの組み立てと技術を分かりやすく解説する。
6年国語『桃花片』(岡野薫子)をはじめ、3年理科「空気をちぢめる」など、未公開の映像も収録。向山実践を追いかけたい、すべての教師にオススメ。