向山が1990年代に普及させた『五色百人一首』(教育技術研究所)は、日本の伝統文化に親しむことができる教材である。
「学級の男女の仲がよくなる」「ルールを守るようになる」「負けを認めることができるようになる」など、学級づくりにも役立つ。
向山は、新卒時代から担任するクラスで百人一首に取り組んでいた。しかし、百人一首には、「試合時間が長い」「100枚も覚えるのが大変」という欠点があった。これらの欠点を克服したのが、『五色百人一首』である。
『五色百人一首』には、次の2つの特徴がある。
20 枚ずつ5色「青・桃・黄・緑・橙」に分かれ、1セット(1色)が20枚であるため、1試合3分以内で決着がつく。また、一度に覚える負担も、通常の5分の1となる。取り札の裏には、上の句と作者名が印刷されており、試合の隙間時間に覚えることもできる。
発売以来、全国で30万人以上の教師、300万人の子どもが『五色百人一首』の楽しさを体験しており、全国各地で五色百人一首大会が毎年開催されている。また、『五色百人一首』は、一般社団法人全日本かるた協会の公認推奨札にも認定されている。
なお、向山が開発したかるた型教材として、『五色名句百選かるた』『五色ソーシャルスキルかるた』『五色 名文・格言暗唱かるた』などもある。