向山は、現在、マスメディア等で一般的に使われる、さまざまな教育関連の用語を多数生み出した。「黄金の三日間」「学級崩壊」「モンスターペアレント」のほか、「リズムとテンポ」「指名なし討論」「教材のユースウェア」などがよく知られる。また、向山が普及させた教育用語として、「模擬授業」「追試」「授業上達」などがある。
「黄金の三日間」とは、新年度の最初の三日間のことである。向山は、「教師にとって、最初の三日間ほど大切な日はない。この三日間は、黄金の日々である。この三日間だけは、子どもたちは天使の如く素直であり、教師の言うことを何でも受け入れようとする。この三日間のうちに、クラスの目標を決め、しくみをつくり、ルールをつくることが重要だ」と述べ、毎年の『教室ツーウェイ』誌4月号において「黄金の三日間を生かすための五つの準備」などの特集を組んだ。
また、1990年頃から、ベテラン教師であっても授業が成立しない学級が全国各地で見られるようになった。この現象を、向山は「学級崩壊」と名付けた。向山は「学級崩壊の原因の大半は、『教師の授業する力が低い』ことにある」とし、「知的で面白い授業をすれば、子どもたちは集中する」と主張した。
1990年代後半頃からは、例えば「遠足でのクラス集合写真で、我が子が真ん中に写っていないから、写真を撮り直してほしい」など、常識を明らかに逸脱した要求を繰り返す保護者が出現した。向山は、このような非常識な要求を行い、それが暴力的かつ長期にわたり、正常な教育活動を阻害するような保護者を「モンスターペアレント」とよんだ。モンスターペアレントの広がりは、教員の病欠などを全国に生じさせる要因ともなった。