向山洋一公式ウェブサイト 向山洋一公式ウェブサイト

向山洋一の仕事

7

あかねこ漢字スキル

『あかねこ漢字スキル』で学習する(1990)

子どもに力をつける日本一の教材・教具を
次々に開発

向山は、『あかねこ漢字スキル』『あかねこ計算スキル』『話す・聞くスキル』をはじめ、数々のスキル型教材の開発および制作にも力を発揮した。いずれも子どもに学力をつけ、しかも学習に熱中するシステムや教材のユースウェアが組み込まれている。

漢字が苦手な子も100点をとれるようになる『あかねこ漢字スキル』 (初版 1988)
漢字が苦手な子も100点をとれるようになる『あかねこ漢字スキル』 (初版 1988)

『あかねこ漢字スキル』(光村教育図書)は、全国各地の教室で使われている漢字教材である。最大の特徴は、漢字を「覚えること」と「実際に書くこと」に分けた点である。まず、「ゆび書き」で、鉛筆を持たずに指で練習する。これは漢字の筆順と字形を覚えるまで行う。次に、鉛筆で「なぞり書き」と「うつし書き」をする。この3つのステップにより漢字習得の困難さを軽減させ、漢字が苦手な子でも100点が取れるようになった。小学校版と中学校版がある。

正しい筆順かどうかを「空書き」で一斉確認(『向山洋一映像全集』「春」の授業1985)
正しい筆順かどうかを「空書き」で一斉確認(『向山洋一映像全集』「春」の授業1985)

『あかねこ計算スキル』(光村教育図書)は、授業の中で学習内容や計算技能の習得・習熟を図る教材である。向山は、問題を解くときにかかる時間の個人差を埋めるため、2問コース、5問コース、10問コースのどれか1つを自分で選ぶ「コース選択システム」を導入した。そのほか、「答え合わせは最後の問題から行う」「解答に計算過程が載っている」などの特徴がある。中学校版『あかねこ数学スキル』(光村教育図書)もある。
また、『話す・聞くスキル』(正進社)は、伝え合う能力を伸ばすため、有名な詩やことわざなどを集めた国語教材である。追い読み、半分読み、交代読み、ひとり読み、みんな読み、たけのこ読みなど、効果的な使い方も掲載されている。

向山は、『とびなわキング』(『スーパーとびなわ』から名称変更)、『鉄棒くるりんベルト』(以上、教育技術研究所)などの運動教具も開発した。『とびなわキング』は、二重跳びや交差跳び、あや跳びが簡単にできるとびなわである。長くて握りやすいグリップ、ロープの工夫などで、スムーズで滑らかに回転する。
『鉄棒くるりんベルト』は、逆上がりができない子どものための鉄棒補助具である。NHKなど、多くのメディアで紹介された。鉄棒の近くに腰が固定されるため、わずかな補助で簡単に逆上がりができるようになる。

とびなわキング:https://www.tiotoss.jp/products/detail.php?product_id=2958
鉄棒くるりんベルト:https://www.tiotoss.jp/products/detail.php?product_id=61

安全に逆上がりの練習ができる『鉄棒くるりんベルト』<
安全に逆上がりの練習ができる『鉄棒くるりんベルト』

また、向山は、1981年からおよそ10年間、通信教育教材『進研ゼミ 小学講座』(ベネッセ)の開発責任者であった。学年ごとの教材内容や「赤ペン先生」等の企画にも関わり、小学生向けに効果的な指導のシステムも設計した。