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向山洋一の仕事

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教室ツーウェイ

新幹線で移動中も『教室ツーウェイ』の原稿を執筆する向山(1986)

異例の3万部発行
向山が編集長の読者参加型の月刊誌

『教室ツーウェイ』(明治図書)は、向山が編集長を務めた「読者参加」型の月刊教育雑誌である。1986年4月から2015年3月まで発刊され、最大発行部数は教育雑誌としては異例の3万部を超えた。

異例の3万部を記録した『教室ツーウェイ』(創刊号 1986)
異例の3万部を記録した『教室ツーウェイ』(創刊号 1986)

向山は、新しい教育誌を創刊するにあたり、『教室ツーウェイ』という名前をつけた。「ツーウェイ」とは、双方向という意味である。
「えらい人が難解な文章を書いて、現場の教師が無理して読む」という、従来のワンウェイ(一方通行)だった教育文化に対するアンチテーゼ(反対の主張)であった。
『教室ツーウェイ』の創刊にあたり、向山は「自分たちの時代の教育文化は自分たちで創り出せばよい」「全国には、すぐれた教育文化が無数にある。それらを互いに交信させればよい」「教室は受信基地とともに発信基地にもなる」と述べた。

『教室ツーウェイ』の誌面構成には、以下のような特徴があった。

  1. 最新情報が一目でわかるグラビアページ
  2. 向山による編集前記
  3. 現場教師目線からの斬新な特集テーマ
  4. コピーしてすぐに授業で使えるファックスページ
  5. 読者参加のための読者のページ
  6. 編集長日記

「面白くて役に立つ」「誰でも参加できる」という法則化運動の理念が具体的な形で現れており、他の教育誌とは大きく異なっていた。

創刊当時のちらし(1986)
創刊当時のちらし(1986)

向山は、『教室ツーウェイ』の他にも、『教育トークライン』『ジュニア・ボランティア教育』(以上、教育技術研究所)、『向山型算数教え方教室』『向山型国語教え方教室』『家庭教育ツーウェイ』『特別支援教育教え方教室』(以上、明治図書)など、数々の教育誌の編集を手がけた。
なお、「面白くて役に立つ」「誰でも参加できる」というコンセプトは、自らが編集長を務めたこれらの教育誌にも引き継がれている。

教室は受信基地とともに発信基地にもなる(読者のページ「Free Way」 1986)
教室は受信基地とともに発信基地にもなる(読者のページ「Free Way」 1986)